2020.10.12
胃カメラ検査時における飛沫低減機能付きマウスピースおよび内視鏡カバー
新型コロナウイルスの主な感染経路は、飛沫感染および接触感染とされている。
経口・経鼻からの上部消化管の内視鏡診療では、被検者の咳込みや嘔吐反射を誘発する場合があり、飛沫によるウイルスの拡散が懸念され、また、下部消化管内視鏡診療においても、ウイルス感染の可能性が指摘されており、内視鏡の診療現場では防護具などによる感染対策がとられている。
今回、富士フイルム株式会社から、内視鏡診療時の、被検者からの飛沫による医療従事者の新型コロナウイルス等の感染リスク低減を目的とした2種の内視鏡用アクセサリーとして、飛沫低減機能付きのマウスピース「B1(ビーワン)」および内視鏡カバー「P1(ピーワン)」が10月1日に発売された。
<マウスピース「B1」の特長>
被検者の顔を覆うドレープ状のシールドを付帯したマウスピースで、経口内視鏡診療時に被検者と医療従事者とをシールドで仕切ることで被検者からの飛沫による感染リスクを低減する。
内視鏡スコープの挿入部に切り込み入りのスポンジをはめ込み、スコープとマウスピースの隙間を埋めることで飛沫の拡散を低減する。
マウスピースに厚みを持たせることで、シールドと被検者の顔の間に空間が設けられ、被検者の呼吸を妨げず、また、シールドで顔が覆われることによる被検者の不快感を低減する。
実験では、咳き込んだ際に生じる5μm以上の飛沫が、当社の通常のマウスピース使用時と比べて99%以上低減した。
<内視鏡カバー「P1」の特長>
生検などを行う際に内視鏡の処置具を挿入する口(鉗子口)に装着する鉗子栓に取り付ける内視鏡カバーで、処置具を抜去する際、処置具に付着した体液の飛散を低減する。
ドレープ状のカバーが鉗子栓だけでなく内視鏡スコープの操作部全体を覆うため、医療従事者に被検者の体液が掛かることを抑制する。