072-224-0188
電話予約はこちら ネット予約はこちら
電話予約 ネット予約
電話予約 ネット予約

Melena下血・便に血が混じる・便潜血陽性

原因

肛門からの出血が肉眼で明らかに確認できた場合を下血と呼びます。

肛門からの出血が肉眼的に確認できない少量の場合を便潜血陽性と呼び、便に混じる(潜む)出血を機械で検出します。

粘膜の炎症や腫瘍からの出血が多く、痔核からの出血も頻度としては高いです。

出血の色や量により原因が推察できます。

鮮血性下血は、肛門や直腸からの出血を疑い、痔や直腸癌などが考えられます。

便潜血陽性は、大腸全体からの出血を疑い、大腸ポリープや大腸憩室炎などを疑います。

黒色便は、より口側の消化管である胃や十二指腸からの出血が考えられます。

考えられる病気

大腸ポリープ

大腸ポリープでは出血量は多くないため、下血よりは便潜血陽性で発見される場合が多いです。

ただ、有茎性の巨大な大腸ポリープでは出血量は多く下血として確認できることがあります。

大腸がん

早期大腸がんでは、下血として確認できるような大量の出血はないため、便潜血検査が有用です。

大腸癌では、下血以外に腹部症状(下腹部の痛み•違和感•膨満感や排便がないなど)を伴うことが多いですが、直腸より口側腸管にがんが存在している場合は下血はわかりにくいこともあります。

また、少し黒みを帯びている場合は盲腸などの深部大腸病変を疑います。

出血性腸炎

食あたりやウィルス性腸炎などの場合、水様性下痢の後に出血を伴うこともあります。

その他、大腸憩室炎や虚血性腸炎なども下血を起こします。

また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患でも出血が認められます。

痔核

鮮血の場合は痔核や直腸癌、直腸潰瘍を疑います。

痔核による場合や硬い便による切れ痔の場合は肛門痛を伴うことが多いです。

必要な検査

大腸ポリープからは肉眼的に確認できるような出血はないため、便に混じる(潜む)出血を機械で検出する便潜血検査が有用です。

便器に敷いた採便シート上に排出した便をスティックで採取し、試験管(スピッツ)に入れて検査します。

出血量を数値で判定する定量法とカットオフ値(100ng/ml)を基準に陽陰性を判定する定性法があります。

単位はng/ml で10億分の1gという微量な出血量を検出する非常に優れた検査法ですが、定性法では100ng/mlに近い少量出血は陰性と判断される危険性があります。

当院では、便潜血全自動免疫化学分析装置 OCセンサー DIANAを設置し、院内での便潜血検査(定量法)も行っています。

下血や便潜血陽性の場合は、必ず大腸カメラ検査を受けて頂くことをお勧めします。

治療

内視鏡的切除・外科的手術

大腸ポリープに対しては、内視鏡的切除を行います。(詳しくはこちら
早期癌に対しては大きさなどにより、治療法が異なります。
切除用スネア径より小さなポリープの場合は外来での内視鏡切除を行いますが、大きな場合は入院の上、内視鏡先端部よりメスを出して削ぎ落としていく内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により切除します。
進行性大腸がんに対しては外科的手術適応です。

薬物治療

ウィルス性腸炎や大腸憩室炎に対しては、整腸剤や抗生物質を投与します。
また、痔核に対しては坐薬などによる治療絵を行い、必要であれば手術を行います。

下血や便潜血陽性が続く場合は早めに当院へご相談下さい。

<監修責任者>
医潤会内視鏡クリニック  理事長 中西弘幸