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IBD炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患とは免疫機構の異常により免疫細胞が腸管細胞を攻撃することにより腸管に炎症を引き起こす疾患です。
主に潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類がほとんどを占め、ほかに腸管ベーチェット病などの稀な疾患もあります。特に潰瘍性大腸炎が最も多く、年々増加傾向にあります。

当院では、IBD専門外来を併設していますので、ご遠慮なくご相談下さい。


【潰瘍性大腸炎】

潰瘍性大腸炎とは、主に大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じ、びらんや潰瘍病変が形成される原因不明の腸疾患です。
炎症は大腸の粘膜表層からから粘膜下層までおこり、病変部は直腸から口側腸管へ連続性に広がるのを特徴とします。
経過中に再燃と寛解を繰り返すことが多く、腸管外合併症を伴うことがあります。
また、長期化かつ広範囲に大腸を侵す場合は癌化の傾向があります。

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Grade 1:正常

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Grade 2:軽度

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Grade 3:中等度

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Grade 4:高度

重症度や病変部位により症状は様々ですが、主な症状は血便、下痢、腹痛です。

免疫異常により粘膜の炎症・再生を繰り返し、脱落した大腸粘膜がゼリー状粘液として体外へ排出されるため、血便は粘液に血液が混じった粘血便となることが特徴です。

また、重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が出現します。直腸型・左半結腸型・全結腸型の3種類に分類され、発病して10年以上の長期間経過すると、病変部分からの癌化傾向が高まります。
大腸内視鏡検査を行い、重症度を判定し、治療を開始します。

治療は5-ASA製剤やステロイドなどが中心となります。中等度の炎症に対しては、抗TNA-α抗体を投与します。

免疫機構異常が発生要因のため、根治することは稀で生涯治療を継続する必要があります。
ただ、治療により完治に近い状態に維持することができます。

【クローン病】 

クローン病とは、主に小腸(特に回盲部)や大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じ、びらんや潰瘍病変が形成される原因不明の腸疾患です。
潰瘍性大腸炎と異なり、非連続性の炎症病変が全ての腸管(口腔から肛門)に発生します。
病態としては、腸管壁の全層に及ぶ炎症により、狭窄や腸管穿孔や多臓器との瘻孔を形成し、全層性肉芽種性炎症性腸疾患と呼ばれます。

アフタびらん
縦走潰瘍
竹の節状外観 (胃)  
ノッチ様陥凸凹 (十二指腸)
小腸カプセル画像
不整形潰瘍
敷石像

重症度や病変部位により症状は様々ですが、主な症状は、腹痛、下痢、発熱、血便、体重減少、貧血です。
病変部は回盲部に好発するため、腹痛は病変部に一致して右下腹部に多く認められます。
痔瘻や肛門周囲膿瘍など、肛門周辺の病変も多くみられます。

活動期と寛解期を繰り返しながら、長期間罹患すると、狭窄や腸管穿孔や多臓器との瘻孔を形成し、外科的手術が必要となります。

大腸内視鏡検査や小腸カプセル内視鏡検査(当院設備あり)を行い、重症度を判定し、治療を開始します。

内科的治療は5-ASA製剤やステロイドなどが中心となります。中等度の炎症に対しては、抗TNA-α抗体や免疫調節剤を投与します。

詳しくはIBD専門外来をご覧下さい。

<監修責任者>
医潤会内視鏡クリニック  理事長 中西弘幸