原因
胃酸の逆流が長期にわたると、食道全体が傷害を受けて胸焼けから嚥下傷害へと症状が変化し、やがて噴霧状の胃酸で喉が傷害を受けて、咳がでたり、咳喘息に至る場合もあります。
この状態を放置しておくと、長期間、常時口腔内の噴霧状胃酸に晒され、口が苦い感じが発生します。
また、胃酸による口腔内の環境が悪化し、口の中のバクテリア(歯周病原菌)が増殖し、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン)を大量に産生します。
そのほか、亜鉛が欠乏すると、主に味覚を感知する舌の表面にある味蕾の機能低下をきたし、口が苦いや味覚障害などが発生します。
また、過度なストレスや不規則な生活によって自律神経が乱れたり、更年期障害により、ホルモンバランスの変化や乱れが生じると味を感じる味蕾細胞にも異常が起こり、口の中が苦いと感じやすくなります。
考えられる病気
逆流性食道炎
胃酸が、食道および喉頭そして口腔内へと慢性的に逆流すると、口腔内粘膜が胃酸に暴露されて口が苦いという感覚が続きます。
亜鉛欠乏症
亜鉛が欠乏すると、主に味覚を感知する舌の表面にある味蕾の機能低下をきたし、口が苦いや味覚障害などが発生します。
1日の摂取量は、成人男性で11mg/日,女性で8mg/日が推奨されていますが、実際の摂取量は平均で9.2mg/日であり、特に男性は亜鉛不足に陥りやすい状態です。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病である炎症性腸疾患(IBD)では、亜鉛の吸収が低下して欠乏し、口が苦い感じを受けやすいです。
生活習慣
過度なストレスや不規則な生活によって自律神経が乱れたり、更年期障害により、ホルモンバランスの変化や乱れが生じると味を感じる味蕾細胞にも異常が起こり、口の中が苦いと感じやすくなります。
必要な検査
早めの胃カメラ検査による逆流性食道炎の鑑別が必要です。
大腸カメラ検査により炎症性腸疾患の有無を調べます。
治療
生活習慣の改善
ダイエットによる内臓脂肪減少により、胃の押し上げが弱まり、症状が緩和する場合があります。
口臭や口が苦い症状が続く場合は早めに当院へご相談下さい。
<監修責任者>
医潤会内視鏡クリニック 理事長 中西弘幸