原因
血液には鉄分が含まれているため、鉄が錆びると黒くなるように、胃酸の影響を受けて酸化すると黒く変色します。
したがって、下血の色が黒ければ胃・食道・十二指腸などの上部消化管からの出血が考えられます。
考えられる病気
胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃癌からの出血は持続的で少量のことが多く、出血の色だけでは気付きにくい場合があります。
(胃がん)
(胃潰瘍)
(十二指腸潰瘍)
薬剤
鉄欠乏性貧血などに対して鉄剤であるフェロミアなどを服用している場合、黒色便がでます。
必要な検査
末梢血検査により貧血の程度を判定します。
赤血球やヘモグロビンなどの数値が低ければ、緊急の胃カメラ検査が必要です。
治療
薬物療法
胃潰瘍や十二指腸潰瘍に対してはPPIという制酸剤が効果的です。
一日一回の服用で症状は減弱したり消失しますが、出血源から肛門までの間に滞留している出血、黒色便は排出に数日かかることがあります。
また、貧血がひどい場合は入院や輸血が必要となる場合があります。
外科的手術
タール便を伴う胃がんは進行性胃がんである場合が多く、外科的手術適応となります。
タール便が続く場合は早めに当院へご相談下さい。
<監修責任者>
医潤会内視鏡クリニック 理事長 中西弘幸