大腸内視鏡機器の発展は、クローン病の発見に寄与している。

クローン病は、主に小腸(特に回盲部)や大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じ、びらんや潰瘍病変が形成される全層性肉芽種性炎症性腸疾患と呼ばれる。

クローン病やサルコイドーシスといった肉芽腫性疾患では、肉芽腫という免疫細胞の塊が形成され、失明、不整脈、肺線維症、下痢などの症状を引き起こす。

しかしながら、肉芽腫性疾患の原因は不明であり、有効な治療法も限られている。

今回、国際学術誌「Journal of Clinical Investigation」に肉芽腫性疾患の原因解明の研究結果がオンライン掲載された。

サルコイドーシスの患者の皮膚病変を1細胞RNAシークエンスという手法で解析した結果、ペントースリン酸回路という代謝経路が亢進しているマクロファージが肉芽腫を作っていることを明らかにした。

さらに、ペントースリン酸回路を阻害することにより肉芽腫形成が試験管内でも、マウスの肉芽腫モデルでも阻害され、治療効果があることが証明された。

この研究結果をもとにした新たな薬剤の開発が期待される。