2023.01.24
大腸カメラ検査時に発見される打ち抜き様潰瘍と鑑別診断
大腸カメラ検査時に発見される炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease : IND)の内視鏡所見に打ち抜き様潰瘍(punched-out ulcer)がある。
打ち抜き様潰瘍の内視鏡所見は、境界明瞭で断崖状に下掘れする潰瘍を認める。
打ち抜き様潰瘍を呈する代表的な消化管の炎症性疾患としては、腸管Behcet病(Behcet'sdisease;BD)、単純性潰瘍(simple ulcer ; SU)、サイトメガロウイルス(cytomegalo-virus; CMV)感染症などが挙げられる。
その他、Crohn 病(Crohn's disease;CD)、潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ;UC)、薬剤による消化管粘膜傷害、血管炎や自己免疫疾患に合併する消化管病変などでも多彩な内視鏡所見の一つとして認められる。これらの診断に際しては、類似した症状や内視鏡所見を呈する疾患を念頭に置きながら、他の臨床情報を加味して鑑別診断を進めていく必要がある。