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Columnコラム

大腸カメラ検査時に発見される輪状潰瘍と鑑別診断

大腸カメラ検査時に発見される炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease : IND)の内視鏡所見に輪状潰瘍(annular ulcer、 circular ulcer)がある。

輪状潰瘍は腸管の短軸方向に走行する潰瘍であり、狭義には幅の狭いものを意味し、幅が広くなったものは帯状潰瘍(girdle ulcer)と呼ばれる。

輪状潰瘍を特徴とする代表的な疾患として、腸結核、非特異性多発性小腸潰瘍症(chronicenteropathy associated with SLCO2A1 gene;CEAS)、非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs ; NSAIDs)起因性腸症が挙げられる。

その他に急性出血性直腸潰瘍や虚血性小腸炎、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus ; CMV)腸炎、各種血管炎などでもみられることがある。

輪状潰瘍の鑑別では病変の分布や局在のみならず、潰瘍の深さや辺縁の性状、周囲粘膜の色調や粘膜模様、炎症性ポリープの有無などに注目し鑑別を行う必要かある。