近年、食生活の欧米化により、また内視鏡検査の充実により、Barrett食道発見の頻度が高くなっている。

SSBE由来Barrett食道腺癌の好発部位としては、右側の前壁(0~3時方向)に認められると言われ、LSBEではそれ以外の場所に認められると報告されている。

これは、下部食道において、右側の前壁における括約筋圧が他の部位よりも弱く、胃酸逆流が完全に抑制できないためではないかと推察されている。

また、LSBEでは同時多発癌や異時多発癌が報告されているが、SSBE由来の同時多発癌や異時多発癌の報告はない。

SSBE由来Barrett食道腺癌の肉眼的分類としては、腫瘍の肉眼型を隆起型と平坦ないし陥凹型に分類した場合、SSBE由来Barrett食道腺癌は隆起型が63.2%と優位である。

また、SSBE由来Barrett食道腺癌は0-I、0-IIa、0-IIb、0-IIcといった単純型が69.5%と多く、0-I+IIa、0-IIa+IIc+IIbなどと記載される0型の混合型(1個の病巣が2つ以上の肉眼型より成り立っているもの)が30.5%であったと報告されている。