近年、食生活の欧米化により、また内視鏡検査の充実により、Barrett食道発見の頻度が高くなっている。

LSBE由来Barrett食道腺癌の好発部位としては右側の前壁(0~3時方向)以外の場所に認められると報告されている。

また、LSBE腺癌の肉眼的特徴としては、表在型Barrett食道腺癌では、0-I型、0-IIa型といった隆起型が半数以上を占めるが、平坦陥凹型も30~40%に認められる。

0-I型成分の存在は、粘膜下層以深浸潤の可能性を示唆する。

これらの特徴はLSBE腺癌、 SSBE腺癌に共通しているが、LSBE腺癌に特徴的な肉眼所見としては、複合型が多く、0-IIb型あるいは主たる病変部の周囲に 0-IIb型成分を伴う頻度が比較的高いことなどが知られている。

ホルマリン固定後の外科的切除標本では、0-IIb型成分の存在診断および範囲診断はしばしば困難であり、Barrett粘膜を全割して病理組織学的評価を行い、切り出し図上に病変範囲をマッピングすることによって、病変範囲を確定することができる。