近年、増加傾向にあるBarrett食道に対する内視鏡的治療法においては、本邦と欧米でかなりの相違がある。

欧米では visible lesionのEMR (endoscopic mucosalresection)+残存Barrett食道のRFA (radiofrequency abla-tion)やcryotherapyがBACに対する基本的な治療法である。

visible lesionとは肉眼型の0-IIaや0-IIc型であり、0-IIb型のような平坦型は基本的に含まれない。

欧米での治療はEMRによる一括完全切除が目的ではなく、病理学的に深達度などを確認することが狙いで行われる。

そして、残存Barrett食道に対しては、RFAや cryotherapyを行い、酸分泌抑制剤内服下で扁平上皮に化生させ、発癌を抑制することが目的であり、これらの治療法は欧米での治療ガイドラインに組み込まれている。

一方、本邦の基本的な治療方針は詳細な内視鏡観察を行い、病変を内視鏡的に一括完全切除することである。

今後、病理学的に十分評価し追加治療を判断すべきとの報告もあり、本邦の内視鏡治療方針の妥当性が期待される。