内視鏡時には、日常、多くの逆流性食道炎を遭遇する。

近年、増加傾向にあるBarrett食道の背景には、この逆流性食道炎の発生増加が考えられる。

Barrett食道癌の内視鏡観察において、欧米ではさまざまな拡大内視鏡分類が提唱されているが、本邦でも日本食道学会よりBACに対する拡大内視鏡分類(JES-BE classification)が報告されている。

まず、弱拡大像で粘膜構造を観察し腫瘍・非腫瘍を判定し、不明瞭な粘膜構造の場合は拡大倍率を上げて血管構造の整・不整を判断する診断体系が推奨されている。

しかし、一般的にSSBE由来癌の診断は容易であるが、LSBEに発生する癌は発見を含め難しい。

病理組織学的にLSBE由来癌は構造·細胞異型度が非常に低く、腺管密度も疎である場合や、異型腺管が粘膜中層や深層に存在していたりするため、内視鏡検査による質的診断や側方進展範囲診断は胃癌よりも極めて困難な場合が多い。

また、LSBEにおいては同時多発癌の頻度が高く、広範なBarrett食道を広く観察することも必要とされる。