近年、癌化の可能性を有するとして脚光を浴びている大腸鋸歯状病変分類のなかには、過形成ポリープ、SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)、TSA(traditional serrated adenoma)およびSSA/P with cytological dysplasiaがある。

ただ、臨床的には十分なコンセンサスが得られておらず、ガイドラインについても体制が整っていない。

2010年のWHO分類が、2019年に変更・された。

まず、WHO2010では、過形成ポリープはMVHP(microvesicular hyperplastic polyp)、GCHP(goblet-cell rich hyperplastic polyp)、MPHP(mucin-poor hyperplastic polyp)の3つの亜型に分類されていたが、 WHO2019では、MVHPとGCHPの2つの亜型分類となった。

また、WHO2010で名称統一されたSSA/P、SSA/P with cytological dysplasiaが改められ、SSL、SSLD(sessile serrated lesion with dysplasia)に名称変更され、病理診断基準にも変更が加えられた。

さらに、TSA、SSLDに分類不能な異型を有する鋸歯状ポリープの存在があるため、第4のカテゴリーとしてunclassified serrated adenomaが加えられ、発生から発癌までの分子メカニズムが提示された。

上記を元に、現在、臨床的診断・治療が行われているが、より詳細なデータ収集が行われ、今後新たな診断基準の削除・追加・変更などが必要となると思われる。