本邦の大腸ポリープ診療ガイドライン2014では、大腸内視鏡検査で発見された直径6mm以上の病変は切除対象で、5mm以下の病変でも平坦陥凹型腺腫および癌の鑑別が困難な病変は切除することを提案する。5mm以下の隆起性腺腫は経過観察も容認するとされている。

一方、欧米では、内視鏡検査で発見されるポリープはすべて切除するというクリーンコロンが推奨されており、現在改訂作業が進められている本邦のガイドラインでも原則としてクリーンコロンを推奨する予定である。

実際、小ポリープを経過観察とした場合、何年ごとのサーベイランスがよいのかという確固たるエビデンスはないため、一度の内視鏡検査の機会を最大限に活用し、小ポリープも含めてすべて切除する方針には一定の意味がある。

また、従来は絶対に癌化しないとされていた過形成ポリープが、臨床的かつ病理学的データの蓄積により、現在では鋸歯状変化を伴う場合は癌化の危険性を伴う場合があるとされており、また鋸歯状病変のなかでもTSAやSSLなどの様々な分類も行われ、それぞれにおける癌化傾向などのデータが収集されている。

このように、医学の進歩により従来の確固たる基準も変更される危険性を孕んでありため、クリーンコロンの意義についてのより多くのデータやエビデンスが求められる。