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Columnコラム

大腸カメラ検査時に発見される大腸鋸歯状病変SSLの癌化

大腸鋸歯状病変分類のなかには、HP(hyperplastic polyp)、SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)、TSA(traditional serrated adenoma) SSL(sessile serrated lesion)、SSLD(sessile serrated lesion with dysplasia)がある。

大腸ポリープ診療ガイドライン2014では、右側結腸に好発する直径10mm以上で、SSA/Pとの鑑別が困難な病変については内視鏡切除を提案するとなっており、欧米における直腸・S状結腸の5mm以下のHP以外のすべての病変を切除対象とするガイドラインに近づいているが、十分なエビデンスの蓄積はない。

上記分類の中で、TSAはBRAF変異とKRAS変異の2経路のいずれかを経て、MSI(microsatellite instability)陰性大腸癌が発生しSSL/SSLDはBRAF変異とCpG island methylationp phenotypeなどを特徴としたserrted pathwayを経てMSI陽性大腸癌に至る。

大腸癌全体では、MSI陽性大腸癌の頻度は15〜20%であり、serrated pathwayの関与する大腸癌は5〜10%であるとされている。

また、SSLの癌化率は3〜15%と施設により差があり、本邦では約10%前後である。

10年以内の大腸癌罹患リスクは、通常発生の大腸癌症例2.3%に対し、SSL、SSLD、TSAでは、2.5%、4.3%、4.5%と予測されるため、大腸鋸歯状病変からの癌化については軽視できない。

特に、SSLは細胞異型を伴うと急速に癌化する可能性も指摘されており、TSAだけでなくSSLに対しても積極的に切除すべきである。