2020.12.24
大腸カメラ検査時に発見されるSSLのサイズ別・部位別診断
大腸鋸歯状病変分類のなかには、HP(hyperplastic polyp)、TSA(traditional serrated adenoma) SSL(sessile serrated lesion)、SSLD(sessile serrated lesion with dysplasia)がある。
その中で、癌化の危険性を有するとして、注意が必要な病変は、TSAとSSLと考えられている。
大腸鋸歯状病変のサイズ別・部位別の病理学的所見は、5mm以下のHPは左側腸管に多く認められ、TSAとSSlではほぼ差がないが、5mm以上になるとHPについても右側腸管に増加し、TSAとSSlも増加傾向にあり、10mm以上になると明らかにすべてが右側腸管に多く認められる。
サイズ別・部位別のSSLの割合について、右側腸管に発生するSSLは、5mm以下では数%であり左側腸管と大差を認めないが、5〜10mmでは43%が左側に発生し左側より3倍近い。特に10mm以上では、85%が右側腸管に発生し、左側腸管より有意に多く認められる。
このSSLについては、細胞異型を伴うと急速に癌化する性質を有するため、特に注意が必要とされる。
サイズ別・部位別のSSLの細胞異型合併率としては、5mm以下の病変は両側腸管に存在せず、5〜10mmでは両側腸管ともにほぼ同率の発生頻度であるが、10mm以上では、右側腸管に14%発生し、左側腸管の8%よりかなり多く認められる。
従来、鋸歯状病変については右側腸管発生病変に重きが置かれていたが、内視鏡検査時には左側腸管のSSLについても注意が必要となり、詳細かつ慎重な切除適応判断が求められる。