消化管早期癌において、粘膜下層における深達度診断は、内視鏡切除か外科的切除かの判断に重要である。

特に、食道癌の場合、かなりの身体的侵襲を伴う外科的切除か、非侵襲的な内視鏡切除適応かどうかの正確な深達度判断がより必要となる。

食道表在癌の治療方針を決定する場合、もっとも問題となるのが、内視鏡切除を適応すべきSM1以浅癌と、外科的切除や化学療法を適応すべきSM2以深癌の鑑別である。

内視鏡における通常観察の場合、clinical SM2の正診率は75%であり、NBI拡大内視鏡における観察の場合、clinical SM2の正診率は74%であり、また、EUSを追加することで正診率はやや向上するが、有意ではなかったとの報告がある。

今後、より信頼性の高い多くの症例の前向き研究データ評価が必要となる。