好酸球性食道炎は食道上皮に好酸球が浸潤しTh2優位の炎症が持続することにより食事のつかえ感や胸焼けを生じ、運動機能異常や狭窄を合併する慢性アレルギー疾患である。

欧米では胃食道逆流症についで多く、本邦でも増加の一途をたどっている。

発生機序は、抗原刺激を受けた樹状細胞を介してIL-5、IL-13などのTH2型サイトカインが誘導され好酸球遊走ケモカインであるeotaxin-3の発現亢進および上皮バリア機能に関与するfilag-grinやdesmoglein-1の発現低下が病態に関与する。

好発年齢は30から50歳であり、高齢者は少ない。

内視鏡像は、食道下部からEGjunctionにかけて縦走溝、浮腫、リング状変化、白斑を認め、NBI像では縦走溝が明瞭化し、浮腫の部分はベージュ色に描出される。

本疾患は、食物や吸入抗原に対する食道上皮での過剰な免疫応答が病態として重要であるため、以前は酸逆流の影響は重要視されておらず、PPIによって改善する症例は本疾患から除外されていたが、エビデンスの蓄積によりガイドラインが改訂され、PPIが治療の第一選択薬となっている。

また、長期維持投与による改善例のなかに再燃などの報告もあり、PPIの継続投与の病態抑制効果については定期的内視鏡検査によるさらなる検討が必要である。