大腸内視鏡検査による病変の局在診断は、必ずしも正確ではない。

特に、横行結腸やS状結腸は走行および長さに個人差が大きく、また、閉塞性大腸癌で全大腸の観察ができない場合には、局在診断を誤りやすい。

内視鏡検査により進行性大腸癌が発見された場合、切除範囲の決定のために大腸癌の占居部位や大腸の走行を確認する必要がある。

近年、急速に普及している腹腔鏡手術においては、術前の局在診断に基づいてポートの配置や切開創が決められるため、開腹手術以上に正確な情報が求められる。

大腸CTによる大腸癌術前の局在診断能は90%を超えるため、内視鏡検査により発見された大腸癌の術前検査として期待され、また、その病変描出精度の高さや非侵襲的であることから、今後、大腸検査の第一選択となると思われる。