2022.06.03
胃カメラ検査時に発見されるH.pylori 現感染および H.pylori 既感染胃粘膜に発生する胃癌
H.pylori現感染胃癌では、隆起型48%、平坦陷凹型52%、既感染胃癌では、隆起型30%、平坦陥凹型70%との報告がある。
既感染胃癌は、有意に隆起型が減少し、平坦型が優勢となる。
未分化型腺癌ではIIcとIIbに分けて検討すると、現感染未分化型腺癌は全例IIc、既感染胃癌はIIc43%、IIb57%との報告がある。
すなわち、H.pylori現感染では典型的なIIa、IIcがみられるが、既感染では平坦型はIIcでも陥凹が浅く色調変化も乏しいものが多くなる。
H.pylori既感染早期胃癌は、現感染早期胃癌と同様な肉眼型を呈するものもあり、H.pylori 関連胃癌の通常内視鏡診断の基本は同じである。
すなわち、色調と形態変化によって領域性病変と認識可能であり、かつ病変粘膜性状と境界形態が不整であるものは癌と診断できる。
拡大内視鏡診断もMESDA-G(magni-fying endoscopy simple diagnostic algorithm for earlygastric cancer)にもとづく点は同様である。
一方、H.pylori 既感染早期胃癌には内視鏡診断が困難な肉眼型がある。
すなわち同色調の平坦または浅い陥凹型早期癌や白色調・平坦型未分化癌があり、また既感染で出現する地図状発赤分化型腺癌がある。