2022.04.08
胃カメラ検査時に発見されるEBV陽性胃癌
Hp(ヘリコバクター・ピロリ菌)の感染率低下および除菌率向上により胃癌発生頻度は低下傾向にあるが、本邦における癌関連死亡の主要な原因のひとつである。
近年、分子生物学的特性に基づいた新たな胃癌分類である分子サブタイプ分類が提唱された。
そのなかで、EBV陽性腫瘍(tumor positive for EBV)は、EBV感染の関与する胃癌のサブタイプで、TCGAの報告では全体の9%を占める。
なお、EBV感染とHp感染は相互排他的ではなく、共存することも多い。
比較的若年者、男性に多く、胃底部および胃体部に多く発生する。
組織学的には低~中分化型腺癌が多く、間質に多数のリンパ球浸潤を伴うことが特徴である。
EBV 感染の診断には、EBV-encoded small RNAをin situ hybridizationが有用である。
内視鏡的には陥凹成病変が多い。
腫瘍免疫が活性化されており、PD-L 1/2の高発現が認められることから、治療としては、免疫チェックポイント阻害剤が期待される。