2022.04.12
胃カメラ検査時に発見されるマイクロサテライト不安定腫瘍
Hp(ヘリコバクター・ピロリ菌)の感染率低下および除菌率向上により胃癌発生頻度は低下傾向にあるが、本邦における癌関連死亡の主要な原因のひとつである。
近年、分子生物学的特性に基づいた新たな胃癌分類である分子サブタイプ分類が提唱された。
そのなかで、マイクロサテライト不安定腫瘍(MSI)は、MMR 酵素の機能減弱·消失によるMSIに特徴づけられるサプブタイプで、TCGAの報告では全体の22%を占める。
比較的高齢発症が多く、女性にやや多いとされている。
遠位側に発生する頻度の高い胃癌であり、内視鏡的な特徴は乏しい。組織学的には分化型が比較的多く、免疫細胞の浸潤も比較的多い。
MSIの診断は、MSIマーカーの検索または免疫染色によるMMR酵素の発現消失や減弱を証明することによる、予後は比較的良好である。
腫寝免疫が活性化されており、PD-L1の発現が増強しているため、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待できる。