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Columnコラム

大腸カメラ検査時に発見される大腸過形成ポリープ(亜分類を含む)の最近の知見

大腸ポリープは、多くが腺腫性病変として癌化する性質を有している。

他方、過形成性ポリープ (hyperplastic polyp; HP)は、鋸歯状構造を示す数mmの非腫傷性病変で直腸に好発し、癌化の危険性はないとされてきた。

大腸癌発癌過程におけるserrated pathwayの提唱から、HPは組織学的にMVHP (microvesicular HP)とGCHP(gobletcell-rich HP) の2型に亜分類される。

肉眼的には、概ね褪色調あるいは白色調の平坦あるいは扁平な隆起性病変として認識される。

しかし、病理組織学的には、HPは基本的に、分岐や変形に乏しい直線的に延長した陰高から成り、さまざまな程度で鋸歯状構造を示す。

MVHPは、陰高内腔がさまざまな程度で鋸歯状構造を示すが、GCHPは陰高全体の鋸歯状構造は目立たない。

遺伝子異常の観点からは、MVHPはBRAF遺伝子変異を主体とする病変であり、SSA/P(SSL)に関連して発生するいわゆる serrated pathway由来のマイクロサテライト不安定性(microsatellite instability high ; MSI-H)を持つ大腸癌を含む BRAF遺伝子変異が主となる大腸癌の前駆病変である。

一方、GCHPは KRAS遺伝子変異が主となる病変で、TSA(traditional serrated adenoma) を介して癌化するマイクロサテライト安定性(microsatellite stability ; MSS)大腸癌の前駆病変である。