2021.03.09
胃カメラ検査時に発見される早期胃癌に対するESD治療選択アルゴリズム
内視鏡的粘膜下層剥離術 (endoscopic submucosal dissection; ESD)が、早期胃癌の標準治療として普及し、内視鏡治療の適応が大きく拡大された。
早期胃癌のESDの適応を決定するために、早期胃癌の深達度を内視鏡検査時に術前診断する必要がある。
原則として早期胃癌の深達度診断は、インジゴカルミン色素撒布法を併用した白色光通常内視鏡観察(白色光通常観察)により行うが、白色光通常観察により診断が困難な場合は、超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography; EUS)を補助診断として用いる。
早期胃癌の深達度診断は粘膜内癌(cTla)と粘膜下層浸潤癌(CT1b)の鑑別を行うことに重点が置かれる。
なお、術前内視鏡診断で粘膜内癌と診断した病変の中には、pT1b1 (SM1、粘膜筋板下縁から計測した垂直浸潤長が500μm未満)が含まれるが、これを鑑別することは難しいため、白色光通常観察によりPf1b2(SM2、粘膜筋板下縁から500μm以上)の指標なる所見を判定することが肝要となる。