ESDの普及により、安全かつ非非侵襲的な内視鏡治療が可能となっている。

早期胃癌に対するESDが適応における深達度の判定は極めて重要な因子である。

早期胃癌の深達度診断において、通常の内視鏡検査(CE)の診断に則った正診率は、粘膜癌では90%以上であるが、深部浸潤癌では65%と低値である。

一方、超音波内視鏡(EUS)は有用であるが,CEに対する上乗せ効果に関しては不明な点も多い。

EUSはCEで深読みした粘膜癌の約6割を正診しており、 CEで深部浸潤を疑った症例に対してのみEUS診断を適用しCEとEUSを組み合わせると、CE単独・EUS単独での診断に比して有意に正診率が向上したとの報告がある。

これらより、粘膜癌はCEで診断し、深部浸潤を疑う病変に対してのみEUSを行う方法が効率的で正確な診断を可能にすることが示唆される。

ただ、EUSは、検査方法や時間的にやや侵襲的な要素を伴うため、EUSの付加価値は限定的であると考えられ, 特性を理解し役割を明確にしながら診断に用いる必要があると思われる。