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Columnコラム

胃カメラ検査時に発見される十二指腸病変と生検の功罪

全小腸の約4%にすぎない十二指腸には、胃・胆管・膵管・空腸が直結し、消化管ホルモンを産生する重要な管腔臓器である。

長さ25cmであるが、良悪性をあわせた腫瘍の発生頻度は空腸・回腸の約7倍に相当するため、内視鏡検査における十二指腸病変の発見・診断は非常に重要な意味を有するが、発見時に行う生検の選択基準と功罪についてはさまざまな考え方がある。

まず、十二指腸病変には、上皮性腫瘍、非上皮性腫瘍、非腫瘍性病変がある。

(上皮性腫瘍)

・表在型非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)

 外科的手術や化学療法適応時以外は生検不要

・Brunner腺由来腫瘍

 生検不要

 内視鏡やEUS所見優先

・神経内分泌腫瘍(NET)

 外科的手術や化学療法適応時以外は生検不要

・乳頭部腫瘍

 生検必須

(非上皮性腫瘍)

・粘膜下腫瘍(SEL)

 生検不要

 内視鏡、EUS、CT所見優先

 悪性疑う場合はボーリング生検またはEUS-FNA

・その他

必要に応じ生検

(非腫瘍性病変)

・異所性胃粘膜

 生検不要

 SNADETとの鑑別時は生検

・その他

生検により、内視鏡治療が困難になる場合があり、慎重な診断を行うことにより安易な生検は避けなければならない。