2025.05.28
大腸がんの5割、腸内細菌の毒素が関与か
コリバクチン(colibactin)毒素は、大腸菌やその他の腸内細菌によって生産・分泌される代謝物質であり、大腸粘膜細胞内のDNAに傷(2重鎖切断)を起こします。
今回、国立がん研究センターの発表によると、大腸がん発生メカニズムとしては、大腸粘膜細胞内において変異シグネチャー(SBS88ならびにID18)が惹起されていますが、その要因にコリバクチンが大きく関与していることが確認されました。
また、本邦では他の海外諸国よりもコリバクチン毒素による変異シグネチャーが最も高いため、日本人における大腸がん増加において、コリバクチンが重要な要因であることが示唆されました。
これらのデータから、大腸がん発生予防に、整腸剤などによる大腸菌を含めた腸内細菌叢の改善が重要と考えられます。