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Columnコラム

食道アカラシアの治療

食道アカラシアの治療は下部食道括約筋(LES)の圧力を低下させ、重力により液体・固形物が食道内から胃内に少しでも多く通過できるようにすることを目的とします。食道アカラシアの治療は、大きく分けて①薬物療法、②内視鏡的治療、③外科的治療があり、症状や程度に併せて選択されます。

①薬物治療:LES圧を低下させる作用のあるカルシウムチャネル拮抗薬、亜硝酸薬などを使用します。また食事摂取後すぐに就寝すると食道内に貯留した食物が逆流してしまいやすくなり症状が誘発されるため、生活習慣の改善も大切です。

②内視鏡治療:内視鏡下食道バルーン拡張術は、下部食道括約筋部をバルーンで広げて筋肉の一部を裂き、食道括約部の通過をよくする方法です。数%に穿孔のリスクがあり、また5-10年以上の長期的に再治療を要する症例が1/3以上に認められます。また、2016年4月から保険適応となった新たな治療として、内視鏡的筋層切開術 (Per-oral Endoscopic Myotomy;POEM(ポエム))があり、内視鏡を使用し下部食道括約筋を内側から切開し、通過を良くする治療法です。POEMは良好な成績が報告されています。

③外科的治療:食道胃接合部の筋層を切開し食物の通過を改善するヘラー(Heller)筋層切開術に、逆流を防ぐドール(Dor)噴門形成術を同時に行うHeller-Dor術が主流となっています。近年では腹腔鏡下で行われるようになっており、従来の開腹手術よりも低侵襲で行うことが可能となっています。