胃カメラや大腸カメラ検査において、白色光内視鏡像では、正常・炎症・癌疑い・癌と診断できるような画像の違いには曖昧なことが多く、明確なカテゴリーに分類することができない。

それは白色光内視鏡所見と病理組織との対応が1対1でなく、同じような所見でも複数の病理所見をとる可能性があるからである。

一方、新たな画像強調内視鏡である Linked Color Imaging (LCI)では多くの病変で病理組織と対応した色調変化を描出することによって、今まで不可能だった病変が診断できるようになってきた。

スクリーニング内視鏡にLCI を用いる長所としては,次の①~⑤があげられる。

①情報量が圧倒的に多いため術者にとって安心感が得られる。

②内視鏡操作に特別な手技はいらない。

③エビデンスがしっかりしてきた。

④内視鏡初心者でも違和感なく始められる。

⑤組織の違いを色調の違いとして認識できる。

このような長所から臨床で具体的に得られるアドバンテージは、以下のとおりである。

①これまでは見逃されていた多くの癌が診断される。

②0-IIbの診断が容易である。

③炎症性変化が診断できる。

④多病変のなかから癌を拾い上げられる。