Hp(ヘリコバクター・ピロリ菌)の感染率低下および除菌率向上により胃癌発生頻度は低下傾向にあるが、本邦における癌関連死亡の主要な原因のひとつである。

近年、分子生物学的特性に基づいた新たな胃癌分類である分子サブタイプ分類が提唱された。

そのなかで、染色体不安定腫瘍は、コピー数異常が多いことが特徴であり、TCGAの報告では全体の50%を占める。

やや男性に多く、特に食道胃接合部·噴門部では染色体不安定腫蕩の割合が 65%と高い。

内視鏡的にはさまざまな形態を示すが、組織学的には分化型の頻度が高い。

TP53遺伝子変異を70%の高頻度に認めるが、それ以外にもさまざまなコピー数異常を認める。

BGFR、HER2、METなどのRTKの発現上昇を高頻度に認めるため、これらの阻害薬の効果が期待される。