コロナウイルスSARS-CoV-2感染流行地域における内視鏡診療の現状が報告されている。

感染が深刻なイタリア北部の流行地域において、2020年3月から4月にかけて42施設に対して行われたアンケート調査では、鏡前 28.6%の施設で内視鏡に従事する看護師や医師に感染を認めたとの回答があった。

内視鏡部門以外での感染や感染予防策が徹底される前の未確認患者からの感染が推定されているものの、内視鏡手技を介した感染が明らかな事例は確認されていない。

こうした流行地の内視鏡部門においては95.1%でN95マスクとゴーグルが、85.4%には長袖の耐水性ガウンも身につけられていた。

さらに、陽性が判明している患者の検査処置に際しては、手袋は二重として、過半数が陰圧室や感染者専用の部屋で実施されていた。

一方で、感染が拡大しているブラジルで行われた、ブラジル内視鏡学会会員のアンケート調査によると、内視鏡室に従事するスタッフの約1.7%にSARS-CoV-2 の感染が確認され、約1%が内視鏡診療が原因であったと報告されている。

なお、こうした報告は、周囲の感染状況やPPEの供給、使用状況などによっても影響を受けるために、内視鏡手技を介した感染が直接要員かどうかは明らかでなく、流行下における内視鏡診療の前後を通じた感染リスク対応も示唆される。