食生活の欧米化により大腸における病変が増加しており、その多くは、隆起性病変であるが、早期癌に進展しやすいLSTなどの平坦病変なども増えている。

治療は、ESDなどの普及により内視鏡的に切除が可能となっているが、そのためには、前癌病変である腺腫を内視鏡的に早期発見することが肝要である。

また、全大腸内視鏡検査後に発見される大腸癌PCCRC(post colonoscopy colorectal cancer)も問題となっており、前検査による見逃しや右半結腸におけるSSL(sessile serrated lesion)が挙げられ、ADR(adenoma detection rate)がPCCRCの発生頻度と逆相関するため、AIによる見逃しのない内視鏡検査と質的診断の補助が望まれる。

現在国内において EndoBRAIN® シリーズ、CAD EYE、WISE VISIONと3種類のAIが薬事承認され、AIによる大腸腫瘍性病変の病変発見)から質的診断まで可能な時代となっており、今後は、ゲノムまで含めた multimodal AIの開発が待たれる。