膵管や胆管の造影を行う内視鏡的逆行性膵胆管造影法(endoscopic retro-gradecholangiopancreatography:ERCP)により、膵胆道疾患の診断を行い、胆管に結石がある場合には、内視鏡乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy:EST)を施行する。

ESTは、乳頭部にEST用ナイフ(スフィンクテロトーム)を挿入し、高周波電流を用いて切開し、バスケット鉗子などを使用して結石を十二指腸内に摘出する方法である。

しかし、ESTによる早期偶発症発生率は3~11.8%の頻度で発生しているのが現状である。発生要因には,十二指腸乳頭部の解剖学的特徴をはじめとする患者側の要因や手技の要因、あるいは複数の要因があると考えられるが、予測・予防が困難な症例も存在する。

したがって、胆膵内視鏡施行医は偶発症発生時に慌てないよう、対策を十分理解しておく必要がある。