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Columnコラム

胃カメラ検査時に発見される特殊型としての胃底腺型胃癌に対するESD

「胃癌取扱い規約 第15版」に掲載されている特殊型胃癌には、カルチノイド腫瘍・ 内分泌細胞癌・リンパ球浸潤癌(gastric carcinoma with lymphoid stroma; GCLS)・胎児消化管類似癌、肝様腺癌・腺扁平上皮癌・扁平上皮癌・未分化癌およびその他の癌(絨毛癌、癌肉腫、浸潤性微小乳頭癌) が含まれる。

胃癌のうち高頻度に出現する腺癌は一般型、その他は特殊型とされてきた胃底腺型胃癌は胃癌の組織亜型であり、「胃癌取扱い規約第15版」で特殊型の一つとして新たに追加された。

高率に粘膜下層に浸潤するものの、脈管侵襲および再発・転移例はなく予後良好な癌であるとの報告が多い。

深達度がSM1である主組織型は高分化腺癌であり、全例で潰瘍合併はなく、脈管侵襲を認めず、治癒切除であったとの報告がある。

深達度がSM2であったのは少なく、全例で潰瘍合併はなく、脈管侵襲を認めず、深達度が非治癒因子であった。SM2症例において、追加外科手術を受けた1例はリンパ節転移を認めず、1例は内視鏡治療のみで経過観察が行われたが、6年6か月経過した現在再発、転移を認めなかったとされている。

症例数の少なさが目立ち、胃底腺型胃癌pT16の予後を論じるには不十分な症例数であると考えられたが、再発や転移を来した症例を認めなかった。

このように、胃底腺型胃癌も予後が良好な可能性が示唆されているが、今後より多くの症例の集積が必要であると考えられる。