2021.03.18
大腸カメラ検査時に発見される潰瘍性大腸炎評価用AI
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍が発生する炎症性腸疾患である。罹患者数は国内約22万名で年々増加傾向にあり、若年層に多く見られ、持続的な下痢と血便などの症状が悪化する活動期と好転する寛解期を繰り返すため、5-ASA製剤などのよる治療が行われるが、炎症活動性の有無を定期的に大腸内視鏡検査で評価し、治療方針を決定する必要がある。
Matt’s Gradeの判定には、内視鏡画像での炎症状態の観察に加え、生検による病理診断を行うことが推奨されているが、潰瘍性大腸炎は炎症が広範囲にわたるため複数箇所を生検する必要があり、出血などのリスクや内視鏡医、病理医の負担の増加などの課題がある。
それらの負担軽減のために、今回、国内初の薬事承認を取得した潰瘍性大腸炎評価用AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-UC」がオリンパスから発売された。
本ソフトウェアは、昭和大学横浜市北部病院、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、サイバネットシステム株式会社により研究開発され、潰瘍性大腸炎の炎症活動性の有無を高精度で示すことで、潰瘍性大腸炎の治療方法の選択における医師の診断をサポートする。
主な特長としては、潰瘍性大腸炎の炎症状態を自動で数値評価し、リアルタイムでの診断支援を実現し、また、超拡大内視鏡とNBIの併用により、高精度に医師の診断をサポートする。