2021.03.13
胃カメラ検査時に発見される特殊型としてのリンパ球浸潤癌に対するESD
従来, 胃癌のうち高頻度に出現する腺癌は一般型,その他は特殊型とされてきた。「胃癌取扱い規約 第15版」に掲載されている特殊型胃癌には、カルチノイド腫瘍・ 内分泌細胞癌・リンパ球浸潤癌(gastric carcinoma with lymphoid stroma; GCLS)・ 胎児消化管類似癌・肝様腺癌・胃底腺型腺癌・腺扁平上皮癌・扁平上皮癌・未分化癌、およびその他の癌(絨毛癌、癌肉腫、浸潤性微小乳頭癌) が含まれる。
その中でも、EBV(Epstein-Barr virus) 感染を伴うGCLSは一般型胃癌と比べ予後が良好であることが知られており、内視鏡治療の適応拡大の可能性も検討されている。
このように、症例数の少なさや経過観察の期間の問題があるものの、GCLSは、一般型胃癌であれば非治癒となる因子があっても、転移や再発は認めず、一般型胃癌と比べ、比較的予後がよい可能性が示唆されている。
稀な症例ではあるが、今後より症例の集積によるデータ解析が求められる。