従来, 胃癌のうち高頻度に出現する腺癌は一般型,その他は特殊型とされてきた。「胃癌取扱い規約 第15版」に掲載されている特殊型胃癌には、カルチノイド腫瘍・ 内分泌細胞癌・リンパ球浸潤癌(gastric carcinoma with lymphoid stroma; GCLS)・ 胎児消化管類似癌・肝様腺癌・胃底腺型腺癌・腺扁平上皮癌・扁平上皮癌・未分化癌、およびその他の癌(絨毛癌、癌肉腫、浸潤性微小乳頭癌) が含まれる。

その中でも、EBV(Epstein-Barr virus) 感染を伴うGCLSは一般型胃癌と比べ予後が良好であることが知られており、内視鏡治療の適応拡大の可能性も検討されている。

このように、症例数の少なさや経過観察の期間の問題があるものの、GCLSは、一般型胃癌であれば非治癒となる因子があっても、転移や再発は認めず、一般型胃癌と比べ、比較的予後がよい可能性が示唆されている。

稀な症例ではあるが、今後より症例の集積によるデータ解析が求められる。