食事の欧米化による胃酸分泌の上昇や内臓脂肪の増加のため、逆流性食道炎が増えている。

そのため、食道胃接合部(esophgogastric junction :EGJ)に発生するBarrett食道を背景とした食道腺癌は、欧米だけでなく本邦においても増加が予想されている。

しかし、EGJのランドマークの定義によってBarrett食道の診断基準が異なるため、今後欧米と本邦におけるBarrett食道の検討が重要となる。

内視鏡的EGJは、欧米では胃粘膜ひだの上縁であり、本邦にでは柵状血管の下縁である。

また、生検での組織診断は、欧米では円柱上皮化生粘膜内の杯細胞の証明であり、本邦では円柱上皮の証明である。

今回、欧米および本邦の基準を用いた際の内視鏡EGJ視認性、内視鏡的Barrett食道検出の検討においては、ともに有意差を認めたことが報告された。

従って、今後、欧米と議論を行うためには、EGJの診断基準の統一または診断基準の差異による発生問題点の検討が必要となると考えられる。