2020.11.17
潰瘍性大腸炎関連腫瘍における新規内視鏡の有用性
再燃を繰り返す再燃寛解型や慢性持続型の難治性潰瘍性大腸炎は、生物学的製剤などの新規治療薬により寛解導入や寛解維持が可能となっている。
それにより、治療目標は臨床的寛解からより高度の粘膜治癒や組織学的な寛解へと飛躍している。
しかし、本邦においても欧米同様に潰瘍性大腸炎関連腫瘍(ulcerative colitis-associated colorectal neoplasia : UCAN)の発現は重要な課題である。
UCANにおける発癌機序は慢性炎症に由来したdysplasia-carcinama sequenceであり通常のadenoma-carcinoma sequenceである大腸腫瘍とは組織型や肉眼形態が異なるため、サーベイランスが重要であり、大腸内視鏡検査における色素内視鏡・NBI・プローブ型共焦点レーザー内視鏡(confocal laser endomicroscopy : CLE)の役割と有用性の解析は必要となり報告されている。
UCANの84%が直腸からS状結腸に発生し、pit pattern分類は進行癌ではすべてV型であり、dysplasiaはVN型には存在せずⅣ型に多い傾向がある。