2020.09.03
胃カメラ検査時に発見される進行性食道癌(狭窄症状)
喫煙や飲酒に加え、食事の欧米化やピロリ菌除菌による胃酸の逆流により、バレット食道から食道癌の発生が増加している。
食道癌の約半数が中部から下部食道に多く発生し、食道の粘膜から発生した癌は、進行すると深部から外膜へと広がり、気管や大動脈などの周囲の臓器にまで直接浸潤していき、食道周囲リンパ管や血管から肺、肝臓などの他臓器へ遠隔転移する。
また、食道内部における進展形式は、粘膜から発生した癌は隆起しながら周囲へ広がりやがて狭窄を呈する。しかし、この狭窄症状である嚥下困難(つかえる感じ)はかなり進行した場合でも出にくい場合があり、注意が必要である。上部内視鏡検査時に、全周性に近い進行性食道癌が認められるにも関わらず、無症状の場合もよく経験する。そして、すでに周囲組織への浸潤や遠隔転移をきたしている時も多い。したがって、飲食時の胸の違和感などを感じた場合は、早めに上部内視鏡検査を受ける必要があると思われる。