食道は上部から下部まですべて扁平上皮に覆われているが、炎症により下部粘膜が胃から連続して円柱上皮に置き換えられた状態を、バレット食道という。

さらに80%が腸上皮化生を含み発癌のリスクが高くなる。

この原因となる炎症の多くが胃酸の逆流により発生し、食事の欧米化により胃酸産生が増加し近年バレット食道は非常に増えている。

内視鏡所見としては、食道下部粘膜が本来の扁平上皮に特徴的な白色を伴う赤色ではなく、胃粘膜の円柱上皮と同様の赤褐色を呈し、それが胃粘膜と連続する。

その変化した病変が3cm未満をショートバレット食道(SSBE)、3cm以上をロングバレット食道(LSBE)という。

本邦ではほとんどがSSBEであり、欧米ではLSBEが多いが、最近では本邦においてもLSBEが増加傾向にある。

欧米の疫学データとの対比によると、本邦での発癌リスク因子はLSBE、高齢者、男性、肥満、喫煙、逆流性食道炎、ピロリ菌非感染などが推察され、これらの情報を取り入れたバレット食道のサーベイランス法が早期に確立される必要があると考えられる。