進行性大腸癌が発見された場合、主病変の狭窄が強くて大腸内視鏡挿入が困難な場合、観察できない近位側病変の存在および形態診断が必要となってくる。

進行癌摘出後内視鏡検査施行し、近位側にある病変があった場合、内視鏡切除可能な病変であれば良いが、重複癌が存在する可能性もあり、術前に近位側病変の確認は必須である。

また、従来の開腹手術では術中に口側腸管の検索がある程度可能であったが、現在広く普及している腹腔鏡手術では困難である。

そのため、従来は注腸造影検査にて口側腸管の検索を行っていたが、閉塞に近い状態の場合、進行癌が存在する場所より近位側に流れたバリウムが固まり、閉塞症状を助長する危険性がある。

この大腸CT検査は前日に少量の造影剤を服用し、検査は空気を注入するだけであるため注腸検査のような合併症は発生しにくい。

このように、進行性大腸癌術前の全腸管のデータ収集には欠かせない検査となっており、今後は注腸検査に変わり、ますます普及していくと考えられる。