現在の管状内視鏡は、形状的には開発された当時とほぼ変化なく、大腸検査の場合、被検者の腸管の長さや癒着などのより挿入が困難となり、穿孔などの危険祭が伴う。

それを打破するためにイスラエルのギブン社がカプセル内視鏡を開発した。

もともと、直径1cm 長さ2.6cmで片方に撮影機能を装備したカメラが装着された小腸カプセル内視鏡が先行発売され、その後、大腸カプセル内視鏡(Pill-Cam COLON)が登場した。

小腸は長く細い管であるため、小腸カプセル内視鏡のカメラ装着部が進行方向に侵入してもその逆に侵入して、前方の画像であるか後方の画像であるかの違いだけであり、観察・診断には何ら問題ない。

しかし、大腸は管腔が大きくまたヒダが深いため、カメラ部が一方だけであると見落としの危険性が発生する。

その問題点解消のために、大腸カプセル内視鏡には両方にカメラが装着され、視野角も広がっており、現状の管状内視鏡では死角になりやすいヒダの後方などが観察可能となる。

ただ、大腸内腔空間はかなり広いため、カプセル内視鏡の進行速度の変化により、観察不十分な部分が発生する可能性がある。

Pill-Cam COLONに続く第二世代Pill-Cam COLON 2の大きな特徴に、データのやりとりがカプセル内視鏡とデータレコーダーとの間での双方向性になった点が挙げられる。

これは、カプセル内視鏡がゆっくり進むときは従来通り4枚/秒の頻度で、早く進むときは35枚/秒の頻度で撮影されるAFR(adaptive frame rate)機能である。

撮影頻度が4枚/秒に固定されていた第一世代に危惧されていいた病変の見落としが大幅に抑制される。