2020.07.27
大腸カメラ検査時のポリープに対するCSP(病理・再発)
Cold Snare Polypectomy(CSP)は、高周波電流で焼灼せずポリープを切除する方法であり、遅発性出血と穿孔の危険性がほぼ皆無であることが大きなメリットとなり、近年普及の速度には目覚ましいものがある。
その一方で、切除断端の判断と再発の問題がある。
まず、切除断端の不明瞭化や病変遺残の頻度が従来法よりかなり高い可能性が示唆されている。
①比較的平坦な病変を切除することになるため、切除断端が病変部に近づきやすい。
②通電を行わないため粘膜筋板より深部を切除することができず、深部断端も病変部に近づきやすい。
③局所注入された切除標本と異なり、吸引圧や吸引ボタンよる損傷のため回収時に壊れやすく、病理判断が困難になる。
④通電された標本と違い断端性状が認識し難い。
また、高周波電流による焼灼がないため、Burning Effectが得られない。
そのため、微小遺残病変が熱変性により脱落することが期待できないため、断端不明瞭・陽性は再発の大きな要因となる。
CSPの対象となる10mm以下のポリープの10%、5mm未満でも2%、さらにその中の数%に粘膜下層浸潤癌が存在するとの報告もある。
このようにCSPについてはまだまだ議論の余地があり、慎重な判断と適応が求められる。