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Columnコラム

食道アカラシアの診断について

現在、アカラシア診断のゴールドスタンダードは高解像度食道内圧検査(HRM)であり、病態の本質である下部食道括約筋(LES)の弛緩不全を直接診断することができます。内視鏡や標準の胃食道逆流症治療で軽快しない嚥下困難・つかえ感を有する患者様には積極的に検討すべきであると考えます。またHRMによる食道体部の圧パターンからType1-3に分類され、この分類は治療方針決定に大きく影響します。

上部消化管内視鏡所見として古典的には食道内の拡張や残渣貯留、異常収縮像などを認めることがありますが、進行例を除くと、これらの所見が認められるは多くはありません。近年、比較的早期と考えられる症例に認められる内視鏡所見としては、esophageal rosette(深呼吸時に下部食道観察で柵状血管の全体像は観察できず、また狭窄部に集簇する放射状の襞を認める)、pin stripe pattern(食道内を縦走するスジを認める)、Gingko leaf sign(esophageal rosette陰性の非拡張アカラシア症例において、深呼吸時に柵状血管の下端の観察ができず、胃食道接合部の縦断像において、食道内腔側からではなく外側より凸な形状(銀杏の葉(Gingko-Leaf)様)を呈すること)などが報告されております。

食道造影検査では食道の拡張、食道内の液体・残渣の貯留、食道胃接合部のスムーズな狭窄を認めた際は容易に診断することができ、また食道から胃へのバリウムの流入の遅延を認めた際もLES弛緩不全を診断することが可能です。

食道アカラシアは症状だけで積極的に診断することは困難であり、上部消化管内視鏡、食道造影検査、高解像度食道内圧検査(HRM)などの検査所見から総合的に診断することが必要と考えます。