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Columnコラム

胃カメラ検査時に発見されるHP陽性胃MALTomaに対する治療

胃カメラ検査時に発見される限局期胃 MALT リンパ腫(Stage IおよびStageII )においては、H.pylori陽性例に対する除菌療法が first line の治療法である。

H.pyloriの除菌が成功すると70~ 80%は完全寛解(complete remission:CR)する。

除菌治療については、初回治療で除菌が成功するように前もって薬剤感受性試験を行って薬剤を選択したり、除菌治療効果判定を正確に行うことが大切である。

除菌に成功した場合、定期的に上部消化管内視鏡を行い、内視鏡所見と生検組織所見によりMALTリンパ腫の治療効果判定を行う。

除菌治療後は比較的早期にCRとなる症例とCRとなるまでに長期間かかる症例があり、CRとなるまで3カ月ごとに上部消化管内視鏡を施行し、CRとなったあとは 6~12カ月ごとに定期的な経過観察を行う。

除菌治療によってCRとなった症例の長期予後はおおむね良好である。

除菌治療抵抗例と判断する時期について一定のコンセンサスはないが、除菌治療より12カ月以上経過してもCRとならない症例を、除菌治療抵抗例と判断する。

なお除菌治療抵抗の予測因子として、①肉眼所見が隆起型、②壁浸潤度が固有筋層以深、③病期が進んだ症例、④染色体転座陽性、⑤H.pylori 陰性例、⑥組織学的に high grade成分や形質細胞へ分化した成分を伴う、などがあげられる。