2026.06.17
便検査で大腸がんの90%を検出?新しい検査法の可能性と限界
近年、大腸がんの早期発見を目的とした新しい検査法の研究が世界中で進められています。
スイスのジュネーブ大学の研究グループは、便中の腸内細菌叢(マイクロバイオーム)をAIで解析する新しい便検査により、大腸がんの約90%を検出できたと報告しました。 従来の便潜血検査よりも高い精度が期待されており、将来的には大腸がん検診の選択肢の一つとなる可能性があります。
しかし、この結果だけを見て「大腸カメラは不要になる」と考えるのは早計です。
便検査はあくまでスクリーニング検査であり、異常が見つかった場合には最終的に大腸カメラによる確認が必要となります。また、大腸カメラには病変を直接観察できるだけでなく、その場で組織検査やポリープ切除ができるという大きなメリットがあります。
実際に大腸がんの多くは、腺腫(ポリープ)の段階で発見し切除することで予防できると考えられています。つまり、大腸カメラは「がんを見つける検査」であると同時に、「がんを予防する検査」でもあります。一方で、今回の新しい便検査が大腸がんの前段階である腺腫(ポリープ)をどの程度発見できるかについては、まだ十分な検証が行われていません。今後の研究結果が期待されるところです。
新しい技術の発展によって、大腸がん検診は今後さらに受けやすくなる可能性があります。しかし現時点では、大腸がんの診断や予防において大腸カメラが果たす役割は非常に大きく、その重要性は変わりません。
便潜血陽性を指摘された方、40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない方、ご家族に大腸がんの既往がある方は、一度大腸カメラ検査を検討されることをおすすめします。当院では、鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っております。検査に不安がある方も、お気軽にご相談ください。
