2022.10.25
咽頭・食道表在癌に対するNBI胃カメラ検査の有用性
胃カメラ検査の普及により、食道・胃癌が早期の段階で発見されるようになっている。
同時に経鼻胃カメラの使用が増え、鼻腔から咽頭・喉頭領域の癌も可能となっている。
特に、食道表在癌の発見における補助的診断である色素ヨード染色に加え、NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)が開発・多用されている。
NBIは、限られた範囲(狭帯域)の2種類の波長(390~445nmと530~550nm)を照射して粘膜を観察する方法である。この2種類の波長は、血管の中を流れる赤血球によく吸収されるため、血管を視認しやすくなる。
血管内のヘモグロビンを吸収するように狭帯域化された青(390~445nmの波長)と緑(530~550nmの波長)の2つの波長の光を照射することにより、血液が濃い茶褐色に染色表示され、微細血管像のコントラストを増強して画像表示できる。
内視鏡検査時にNBI照射することにより、青い光は粘膜表面の新生血管の有無を、緑色の光は粘膜深部の血管の有無を示すため、癌の早期発見に有用で、特に早期食道癌や咽頭表在癌の発見に適している。