2022.03.01
大腸カメラ検査時に発見される大腸出血に対する緊急大腸内視鏡
大腸出血は日常診療においてよく遭遇する症状である。
内訳としては、大腸憩室出血が約半数を占め、次に内視鏡ポリープ切除後断端出血が多い。
後者は、切除後一両日に発生する場合がほとんどであるため診断予測は困難でないが、前者は問診やCT検査などによる総合的判断のもとに緊急内視鏡検査が必要となる。
いずれにしろ、前処置不良の大腸管腔を挿入していくため、慎重な操作・手技が必要である。
出血点を確認し、止血を行うが、機械法としてクリップ・留置スネア・結紮輪ゴムが使用されるが、クリップ法でほとんどが処理可能である。
エピネフリン液やトロンビン液の散布や高張食塩水エピネフリン(HSE)の局注では、確実な止血が得られない場合、熱凝固法として、アルゴンプラズマ凝固法・ヒータープローブ法・高周波凝固法が行われる。
特にアルゴンプラズマ凝固法は、短時間で広範囲の焼灼が可能で熱凝固の到達深度も浅く安全性が高いという利点がある。
しかし止血効果は弱いため、動脈性出血の止血には不向きである。