2021.03.27
ERCP後に対する膵管ステント留置
膵管や胆管の造影を行う内視鏡的逆行性膵胆管造影法(endoscopic retro-gradecholangiopancreatography:ERCP)は、膵胆道疾患の診断や治療に必要不可欠な手技として確立されている。
しかし、ERCP は偶発症のリスクが高く、特に ERCP 後膵炎(post-ERCP pancreatitis: PEP)は致死的な経過をたどることもあるために注意が必要である。
内視鏡手技による ERCP 後膵炎の予防としては、膵管ステント留置が有用であるとされている。
ERCP 後膵炎ガイドライン 2015でもPEP高リスク患者における予防的膵管ステント留置を推奨している。
ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)にもとづくメタ解析でも、予防的膵管ステント留置群は非留置群に比べ PEP の発症を有意に低下させると報告されており、相対リスク(relative risk:RR) 0.39、95%信頼区間(confidence interval:CI)0.29 ~0.53、p<0.001]、膵管ステント留置は PEPの予防に有用であると結論づけている。
ステントは自然脱落型膵管ステントが使用されることが多く、ステント径に関しては5 Fr と 3 Fr を比較した試験において5 Fr のほうが留置成功率が高く PEP予防効果に差がなかったことから、5 Fr膵管ステントが推奨されている。