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Columnコラム

内視鏡乳頭括約筋切開術における出血

胆管結石治療などの使用される内視鏡乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy:EST)は、乳頭部にEST用ナイフ(スフィンクテロトーム)を挿入し、高周波電流を用いて切開し、バスケット鉗子などを使用して結石を十二指腸内に摘出する方法である。

EST による出血は早期偶発症として注意が必要である。

EST後の出血リスクについては、①凝固異常、②ERCP 後3日未満の抗凝固療法再開、③ERCP 前の胆管炎、④乳頭括約筋切開術中の出血、⑤ERCP の経験症例が少ないが明確な要因としてあげられ、関係していると考えられるのは、①肝硬変症例、②総胆管の拡張、③総胆管結石、④傍乳頭憩室、⑤プレカットによる乳頭括約筋切開術である。ERCP 施行前に、上記を熟知しておくことも重要であると考えられる。

また、EST中または後出血に対しては、氷水散布、エピネフリン加生理食塩水散布、トロンビン液散布などが行われる。

その他、内科的には、圧迫止血法、凝固法、クリップ法、胆管用金属ステント留置法があるが、これにより止血されない場合は、タイミングを逸することなく、血管造影下塞栓術や外科的止血術も考慮する。